餃子は空を飛ぶのか

誰かが言った。餃子は鳥類である。

今日は餃子はほんとうに鳥類なのか。空を飛ぶのか、その検証を行う。



餃子は鳥綱餃子目餃子科餃子属に属する鳥の仲間である。その一生は以下である。

これは餃子の卵。普段我々が卵と思っている卵よりもはるかにへらべったくぺらっぺらである。本当に卵なのかな?小麦粉なんじゃないの?卵じゃなくて皮じゃないのかな!?って思ってはいけない。親餃子はどこに卵を産むか。それはスーパーマーケットである。母餃子は一回の産卵で卵を20個ほど産卵し、産卵を終えたあと、卵を壊れないようにそっとビニ-ル袋のようなものにくるみ、自身はお惣菜コーナーに行きその短い生涯を終えます。




卵はやがて孵化し、貪欲に餌をほしがる…。

餌は豚ひき肉と野菜、だいたい半々程度が良い。餃子によって好みは様々だ。しかし著者が飼育する場合野菜は白菜をゆでたものをみじん切りし、しっかりと絞ったもの、サーモ生姜、にんにく、長ネギを入れる。ニラでもキャベツでも玉ねぎでも餃子は喜んで食べ、丸々と太ってゆく。

恐ろしい事に孵化後の餃子はガラスープ、もしくはウェイパー、オイスターソースなどをとても好む。ごま油なども。これらを加えた時の餃子の餌への食いつきは指がちぎれるかと思うほどだ。

与える前に餌は揉みしだく。もみもみもみもみ、10分くらいもんでおくと、すごく喜んで食べる。

餌を与えると、餃子は一気に

こんな感じで口を閉じてしまう。どうしたのかな、これ以上餌はいらないのかな…?心配になってしまう。

しかしご安心を。この状態になりますと、もうすでに一人立ちの時期になったということだ。
餌はもういらない。
じっと、餃子たちは、羽ばたきの時を、待つ。





この頃になると集団で熱い鉄板の上にいることを好むようになる。足元にこんがりとした色が付き始めたころ


最後の、飛び立つための、スペシャルスープを与える。
だいたい小麦粉小さじ2杯に水100cc弱、餃子が5mm程度隠れる程度です。
温度の高い水で小麦粉を溶くとまたよいらしい。

羽ばたく時をじっと待つ餃子たちに、上から蓋をかぶせ、少しだけ暗闇をつくってやる。
そして餃子の羽ばたきの音にじっと耳を傾ける…。
少しずつ、その羽が成長し、乾いてきた音が聞こえてきたら蓋を開け、水分を十分に飛ばしてやる。

はたして、餃子は羽ばたけるのだろうか。


…パリパリとした、羽が、できた。

そして、餃子は大空に飛び立ってゆくのである。






餃子は、どこに向かっていくのか。





ほぼ、大部分の餃子は羽が生えた直後、ホモサピエンスの口蓋に飛び込むという。

遠くはドイツまでとその飛行範囲は広い。
なぜ大部分の餃子がそのような行動をとるのか、それは誰も知らない。



確かに、餃子は鳥類であった。
胸を張って言おう。餃子は鳥類であると。


そっと耳を澄ませば聞こえてくる。
世界中で餃子は今日も羽ばたいている。